名称 | 著者 | 出版社 | 登録日 | 参考価格 (購入時) | 解説 |
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ナイチンゲールの沈黙(上) | 海堂尊 | 宝島社 | 2010-09-08 | 500 | 第4回「このミス大賞」受賞作で300万部を突破した大ベストセラー『チーム・バチスタの栄光』の続編が登場します。大人気、田口・白鳥コンビの活躍再び! 今度の舞台は小児科病棟。病棟一の歌唱力を持つ看護師・浜田小夜の担当患児は、眼の癌??網膜芽腫の子供たち。眼球摘出をせざるをえない彼らに心を痛めた小夜は、患児のメンタルケアを不定愁訴外来担当の田口公平に依頼し、小児愚痴外来が始まった。 |
ナイチンゲールの沈黙(下) | 海堂尊 | 宝島社 | 2010-09-08 | 500 | 手術前で精神的に不安定な子供たちのメンタルサポートを、不定愁訴外来担当の田口公平が行なうことになった。時同じくして、小児科病棟の問題児・瑞人の父親が殺され、警察庁から出向中の加納達也警視正が病院内で捜査を開始する。緊急入院してきた伝説の歌姫・水落冴子と、厚生労働省の変人役人・白鳥圭輔も加わり、物語は事件解決に向け動き出す。読者を魅了する、海堂尊のメディカル・エンターテインメント、下巻です。 |
直虎と直政 | 野中信二 | 学陽書房 | 2016-08-12 | 886 | 最愛の父、祖父、許婚が殺された。幸せな家庭を築くという少女時代の淡い夢を無惨に叩き壊された女が選んだ道。それは男(直虎)となって愛する男達が作った「井伊家」を守り、繁栄させることだった!そして、直虎に見守られ小牧・長久手の戦い、関ヶ原大戦で活躍し、家康の天下取りを支えた名将・井伊直政。二人の奮闘の軌跡を描く長編小説。 |
長い腕 | 川崎草志 | 角川書店 | 2018-12-25 | 637 | 東京近郊のゲーム制作会社で起こった転落死亡事故と、四国の田舎町で発生した女子中学生による猟銃射殺事件。一見無関係に思えた二つの事件には、驚くべき共通点が隠されていた……。 |
長い長い殺人 | 宮部みゆき | 光文社 | 2012-06-16 | 700 | 轢き逃げは、じつは惨殺事件だった。被害者は森元隆一。事情聴取を始めた刑事は、森元の妻・法子に不審を持つ。夫を轢いた人物はどうなったのか、一度もきこうとしないのだ。隆一には八千万円の生命保険がかけられていた。しかし、受取人の法子には完璧なアリバイが……。刑事の財布、探偵の財布、死者の財布――。”十の財布が語る事件の裏に、やがて底知れぬ悪意の影が! |
長崎殺人事件 | 内田康夫 | 角川書店 | 2010-06-06 | 540 | 作家・内田康夫のもとへ名探偵浅見光彦宛ての手紙が届いた。差出人は松波春香という長崎県在住の女性で、殺人容疑をかけられた父を助けて欲しいというものだった。早速、浅見の所へ連絡を取ると、彼は偶然にも長崎にいた。浅見もまた、兄・陽一郎の要請でグラバー園で発生した二件の連続殺人事件を追っていた。死者が遺した“蝶々婦人の怨み”とは?「三浦環」像の左手首にかけられたペンダントの謎とは?名探偵・浅見光彦さえも翻弄する意外な真相。シリーズ屈指の名作と謳われる長編本格推理。 |
長野殺人事件 | 内田康夫 | 光文社 | 2011-12-12 | 700 | 品川区役所で働く直子は、税金の督促で訪ねた男から、彼女が長野県出身者なのを理由に書類を渡される。一カ月後、その男・岡根は長野県内で遺体で発見された。周囲に怪しい男も出現し、不安に怯えた直子は夫の友人・浅見光彦に相談する。一方、長野で岡根殺人事件を担当するのは「信濃のコロンボ」竹村警部だった。不正支出金と知事選を巡る巨悪に二人が挑む。長編推理小説。 |
謎解きはディナーのあとで | 東川篤哉 | 小学館 | 2012-11-05 | 670 | 国立署の新米刑事、宝生麗子は世界的に有名な『宝生グループ』のお嬢様。 『風祭モータース』の御曹司である風祭警部の下で、数々の事件に奮闘中だ。 大豪邸に帰ると、地味なパンツスーツからドレスに着替えてディナーを楽しむ麗子だが、難解な事件にぶちあたるたびに、その一部始終を相談する相手は”執事兼運転手”の影山。 「お嬢様の目は節穴でございますか?」 暴言すれすれの毒舌で麗子の推理力のなさを指摘しつつも、影山は鮮やかに謎を解き明かしていく―― 2011年本屋大賞受賞の大人気ミステリ。 書き下ろしショートショート収録! |
夏草の賦 上 | 司馬遼太郎 | 文藝春秋社 | 2010-07-02 | 570 | 英雄豪傑が各地に輩出し、互いに覇をきそいあった戦国の世、四国土佐の片田舎に野望に燃えた若者がいた。その名は長曽我部元親。わずか一郡の領主でしかなかった彼が、武力調略ないまぜて土佐一国を制するや、近隣諸国へなだれ込んだ。四国を征服し、あわよくば京へ…。が、そこでは織田信長が隆盛の時を迎えんとしていた。 |
夏草の賦 下 | 司馬遼太郎 | 文藝春秋社 | 2010-07-02 | 570 | もし、おれが僻地の土佐ではなく東海の地に生れていたならば…長曽我部元親は嘆く。強盛を誇った信長が斃れても、素早く跡を襲った豊臣秀吉によって、営々と築きあげてきた四国に侵略の手が伸びてきた。そして再び土佐一国に、押し込められようとしている?土佐に興り、四国全土を席巻した風雲児の生涯。 |
夏泊殺人岬 | 内田康夫 | 講談社 | 620 | 陸奥湾に向かって大きく突き出した夏泊半島。自生椿の北限として名高い景勝地である。由緒ある椿神社を訪ねてきた男が毒死。男は刑期を終えて出所したばかりだった。雅楽部の合宿でやってきた江藤美香は、その男こそ以前訪ねてきた男らしいと知って驚いた。美香の実家もまた “椿神社”と呼ばれていたのだ。 | |
夏目影二郎始末旅(1) 八州狩り | 佐伯泰英 | 光文社 | 2010-06-08 | 620 | 鏡新明智流の達人・夏目影二郎は、故あって人を斬り、遠島寸前に勘定奉行職に就いた父に助けられた。だが、彼の前には職に苦悩する父の姿が…。影二郎は父の密命を受け、腐敗、乱脈を極める六名の八州廻りの始末に旅立つ。上州路から日光、水戸、伊豆と探索を続ける影二郎を、幕藩体制を覆すような陰謀が待ち受けていた。影二郎初登場の記念碑的名作。 |
夏目影二郎始末旅(2) 代官狩り | 佐伯泰英 | 光文社 | 2010-06-08 | 650 | 江戸は深川蛤町の悪所・極楽島で、勘定奉行所配下の男が惨殺された。夏目影二郎は、勘定奉行職にある父の命により、事件の真相を探るうち、天領内の不正疑惑に辿り着く。代官、郡代の調査、さらに特命を帯びて信濃路へ向かった八州廻りの消息を求めて、中仙道を奔る影二郎。その彼に、僧衣をまとった殺人集団が襲いかかってきた。大好評の長編痛快時代小説。 |
夏目影二郎始末旅(3) 破牢狩り | 佐伯泰英 | 光文社 | 2010-06-08 | 650 | 天保十年、江戸伝馬町の牢内に火が入った。近火切放により、三日の猶予をうけた囚人たちが娑婆に消え、刻限を過ぎても六名が帰参しなかった。横領の罪で入牢中の伊丹主馬もその一人だ。夏目影二郎は、実父の勘定奉行常磐豊後守秀信から、破牢した主馬一統の始末と公金奪還の命を受ける。影二郎は愛犬あかとともに、信州へ向かった。文庫書下ろし長編時代小説。 |
夏目影二郎始末旅(4) 妖怪狩り | 佐伯泰英 | 光文社 | 2010-06-08 | 660 | 上州の侠客・国定忠治一味が、江戸で押し込み強盗を働いた!始末人・夏目影二郎は、偽忠治の仕業と見抜き、本物の忠治に会うため上州へ疾る。忠治の実弟から情報を得た影二郎は、南山御蔵入(天領)の隠れ里に潜む忠治と再会した。そこで彼は、忠治たちが大きな陰謀に巻き込まれていることを知る。その背後に、妖怪・鳥居耀蔵の影が…。好評の書下ろし長編時代小説。 |
夏目影二郎始末旅(5) 百鬼狩り | 佐伯泰英 | 光文社 | 2010-06-08 | 650 | 老中水野忠邦の密命を受けた夏目影二郎は、勘定奉行配下の菱沼喜十郎とおこま父子を従え肥前唐津へ潜入。折しも城下では、倭冦の末裔で百鬼水軍と称する集団が出没していた。その背後に、密貿易を企む藩の家老と影二郎が探す女の影が…。やがて、女の住む長崎を目差した影二郎たちに、妖しい剣法を遣う百鬼水軍が襲撃してきた。文庫書下ろし痛快時代巨編。 |
夏目影二郎始末旅(6) 下忍狩り | 佐伯泰英 | 光文社 | 2010-06-08 | 650 | 天保十一年、晩春の江戸で若い巫女が襲われた。夏目影二郎は、大目付に昇進した父・常磐豊後守秀信を屋敷に送る途中、事件に遭遇。背後に長年に渡って確執する南部・津軽両藩が浮かぶ。老中・水野忠邦は秀信を通じて、影二郎に両藩改易の証拠を掴めと命じた。奥州路を奔る影二郎一行。その先々で妖しい忍者群が襲いかかるが……。大好評の夏目影二郎始末旅!。 |
夏目影二郎始末旅(7) 五家狩り | 佐伯泰英 | 光文社 | 2010-06-08 | 620 | 鬼子母神の祭りの夜、夏目影二郎は二名の武士が斬られるのを目撃した。状況から徳川御三家尾張藩の内紛と察知した彼は、父の大目付・常磐豊後守秀信に報告。その後、御付家老として御三家に配された五家の陰謀を知った秀信は、影二郎に密命を下す。五家を背後で焚きつける人物が?尾張に潜入した影二郎一行を次々と危難が襲う。益々快調の、痛快時代活劇。 |
夏目影二郎始末旅(8) 鉄砲狩り | 佐伯泰英 | 光文社 | 2010-06-08 | 600 | 幕府の練兵場で演習の最中、十挺の鉄砲と設計図が盗まれ、幕閣を揺るがす大騒動に発展した。夏目影二郎と若菜は、墓参中の川越で父の大目付・常磐秀信の命を受け、鉄砲探索に乗り出す。事件の背後には、西洋嫌いの妖怪・鳥居耀蔵の影が!?その渦中、若菜が何者かに拘引された。救出に向かう影二郎の前に、痩身の剣士が…。超人気の始末旅シリーズ。 |
夏目影二郎始末旅(9) 奸臣狩り | 佐伯泰英 | 光文社 | 2010-06-08 | 600 | 老中水野忠邦が断行する天保の改革は、江戸の町と民を疲弊させていた?。夏目影二郎は、湯治先で国定忠治の危難を救った後、江戸に戻り、父・常磐秀信の大目付失脚を知った。背後に水野の命を受けた妖怪・鳥居の姿が…。影二郎を襲う顔を猿面冠者に描いた奇怪な一団、さらには妖しい比丘尼の集団!影二郎の南蛮外衣が華麗に舞い、必殺の豪剣が鞘走る。 |
夏目影二郎始末旅(10) 役者狩り | 佐伯泰英 | 光文社 | 2010-06-08 | 600 | 歌舞伎役者・七代目市川団十郎が、妖しい猿面冠者の一団に襲われた。老中水野忠邦の命で豪奢贅沢禁止令を推し進める妖怪・鳥居の仕業か!?夏目影二郎は、北町奉行・遠山景元の依頼で、七代目を陰から守護する。あれも駄目、これも駄目の世界に、謎の大商人が築く、品川沖の海城の目的は?日本国を揺るがす大陰謀と、民を苦しめる御禁令を影二郎の豪剣が絶つ。 |
夏目影二郎始末旅(11) 秋帆狩り | 佐伯泰英 | 光文社 | 2010-06-08 | 600 | 老中水野忠邦の豪奢贅沢禁止令が続くなか、夏目影二郎は、西洋砲術の導入を主張する高島秋帆一行を警固して伊豆へ向かった。外国の脅威に備え、砲術の実戦演習のためだ。だが、蘭学嫌いの南町奉行・鳥居忠耀は、秋帆に追捕隊を放つ。その中に、底知れぬ虚無を漂わす凄腕の剣客が!男はかつて士学館の虎と呼ばれ、忽然と姿を消した影二郎の兄弟子であった。 |
夏目影二郎始末旅(12) 鵺女狩り | 佐伯泰英 | 光文社 | 2010-06-08 | 600 | 天保十三年の夏が過ぎた頃、夏目影二郎は、筆頭大目付となった実父・常磐秀信から遍路旅に誘われた。伊豆へと向かった影二郎一行は、途中、怪しい修験者の一団や野猿の群れ、さらには偽遍路の七人集と次々に対決する。札所を巡って下田を目指す父子旅に、謎の煙草売りが同行。やがて、千年の闇より這い出てきた異形の難敵・刑部鵺女一統が襲いかかってきた。 |
夏目影二郎始末旅(13) 忠治狩り | 佐伯泰英 | 光文社 | 2010-06-21 | 600 | 侠客国定忠治は、股肱の子分・日光の円蔵が捕縛、斬首されたのを機に、義理と任侠の地を離れ奥州路へ。上州無宿の参次から知らされた夏目影二郎は、愛犬あかを連れて忠治の後を追う。将軍家慶の日光社参を控え、忠治の幻影に脅える幕府。雪降る金精峠越えで赤装束女忍び集団が影二郎たちを襲う。やがて、影二郎は追いつめられた忠治の最期を飾ろうとするが…。 |
夏目影二郎始末旅(14) 奨金狩り | 佐伯泰英 | 光文社 | 2010-06-21 | 600 | 実父・常盤秀信から新たな使命を受けた夏目影二郎は、愛犬あかを伴い上州に向かう。遅れて合流した菱沼喜十郎、おこま親子と共に腐敗した八州廻りを調べることに。ところが影二郎の首に、国定忠治同様奨金が懸けられたのだ。奨金を狙う餓狼たち、怪しい公家の一行、極悪な八州廻りと対決する彼らは、やがて幕府を揺るがす大陰謀へと辿り着くが…。 |
夏目影二郎始末旅(15) 神君狩り | 佐伯泰英 | 光文社 | 2014-10-14 | 691 | 「最後の始末旅」から七年。穏やかな日常に戻った夏目影二郎の元へ、国定忠治の子分・蝮の幸助が現われた。久しぶりに上州の縄張りに戻った忠治が中気で倒れたという報せに、影二郎は幸助とともに再び上州へ向かう。もはや捕縛寸前ながら逃げまどう忠治、それを追う八州廻りや捕り方たち―。そして、最期の時が訪れる!感動を超えた最終巻。「狩り」シリーズ堂々完結。長編時代小説。文庫書下ろし。 |
七つの会議 | 池井戸潤 | 集英社 | 2016-04-30 | 864 | きっかけはパワハラだった!トップセールスマンのエリート課長を社内委員会に訴えたのは、歳上の部下だった。そして役員会が下した不可解な人事。いったい二人の間に何があったのか。今、会社で何が起きているのか。事態の収拾を命じられた原島は、親会社と取引先を巻き込んだ大掛かりな会社の秘密に迫る。ありふれた中堅メーカーを舞台に繰り広げられる迫真の物語。傑作クライム・ノベル。 |
浪花少年探偵団 | 東野圭吾 | 講談社 | 2010-06-08 | 560 | 竹内しのぶ、25歳、独身、短大卒。大阪大路小学校6年5組担任の教師。ちょっと見は丸顔の美人だが、口も早いし手も早い。そのしのぶセンセのクラスの福島の父親が殺された。事件解決のためにしのぶセンセと教え子探偵団が大活躍。エリートの本間と刑事の新藤もしのぶをめぐって恋のさや当て大捜査戦。 |
浪花少年探偵団・独立編 しのぶセンセにサヨナラ | 東野圭吾 | 講談社 | 2010-06-08 | 620 | 竹内しのぶ、25歳、独身。大阪大路小学校の教諭だが兵庫の大学へ内地留学中。あれから三年、浪花のヘプバーンこと、しのぶセンセがさらにパワーアップして帰ってきた。もう誰にも止められない!?抱腹絶倒、でもチョッピリ切ない物語。いま人気急上昇中の俊英が贈る超人気連作ミステリー、待望の文庫化。 |
ナニワ・モンスター | 海堂尊 | 新潮社 | 2014-05-30 | 724 | 浪速府で発生した新型インフルエンザ「キャメル」。致死率の低いウイルスにもかかわらず、報道は過熱の一途を辿り、政府はナニワの経済封鎖を決定する。壊滅的な打撃を受ける関西圏。その裏には霞ヶ関が仕掛けた巨大な陰謀があった――。風雲児・村雨弘毅(ドラゴン)府知事、特捜部のエース・鎌形雅史(カマイタチ)、そして大法螺吹き(スカラムーシュ)・彦根新吾は、この事態にどう動く……? 海堂サーガ、新章開幕。 |
菜の花の沖〈1〉 | 司馬遼太郎 | 文藝春秋社 | 2010-07-02 | 660 | 江戸後期、淡路島の貧家に生れた高田屋嘉兵衛は、悲惨な境遇から海の男として身を起し、ついには北辺の蝦夷・千島の海で活躍する偉大な商人に成長してゆく…。沸騰する商品経済を内包しつつも頑なに国をとざし続ける日本と、南下する大国ロシアとのはざまで数奇な運命を生き抜いた快男児の生涯を雄大な構想で描く。 |
菜の花の沖〈2〉 | 司馬遼太郎 | 文藝春秋社 | 2010-07-02 | 660 | 海産物の宝庫である蝦夷地からの商品の需要はかぎりなくあった。そこへは千石積の巨船が日本海の荒波を蹴たてて往き来している。海運の花形であるこの北前船には莫大な金がかかり、船頭にすぎぬ嘉兵衛の手の届くものではない。が、彼はようやく一艘の船を得た、永年の夢をとげるには、あまりに小さく、古船でありすぎたが…。 |
菜の花の沖〈3〉 | 司馬遼太郎 | 文藝春秋社 | 2010-07-02 | 660 | 蝦夷地の主・松前藩は、アイヌの人びとを酷使して豊富な海産物を独占していたが、この内実を他に知られるのを恐れ、北辺にせまる大国ロシアの足音を聞きながら、それをも隠し続けた。漸くにして嘉兵衛が巨船を作り上げ、憧れのかの地を踏んだころから、情勢は意外な展開をみせ始めた。幕府が東蝦夷地の経営に乗り出したのだ。 |
菜の花の沖〈4〉 | 司馬遼太郎 | 文藝春秋社 | 2010-07-02 | 620 | エトロフ島は好漁場であったが、すさまじい潮流が行く手を妨げ、未開のままだった。しかし幕府は北辺の防備を固めるため、ここに航路を確立する必要を痛感して、この重要で困難な仕事を嘉兵衛に委ねた。彼の成功は、蝦夷人にも幕府にも大きな利益をもたらすであろう。が、すでにロシアがすぐとなりのウルップ島まで来ていた。 |
菜の花の沖〈5〉 | 司馬遼太郎 | 文藝春秋社 | 2010-07-02 | 660 | ロシアは、その東部の寒冷地帯の運営を円滑にするために、日本に食糧の供給を求めた。が、幕府が交易を拒絶したことから、報復の連鎖反応が始まった。ロシア船が北方の日本の漁場を襲撃すれば、幕府も千島で測量中のロシア海軍少佐を捕縛する。商人にすぎない嘉兵衛の未来にも、両国の軋轢が次第に重くのしかかってくる…。 |
菜の花の沖〈6〉 | 司馬遼太郎 | 文藝春秋社 | 2010-07-02 | 620 | 突然の災厄が、嘉兵衛を襲った。彼自身がロシア船に囚われ、遠くカムチャツカに拉致されたのだ。だが彼はこの苦境の下で、国政にいささかの責任もない立場ながらもつれにもつれたロシアと日本の関係を独力で改善しようと、深く決意したのである、たとえどんな難関が待ち受けていようとも…感動の完結篇。 |
ナミヤ雑貨店の奇蹟 | 東野圭吾 | 角川書店 | 2014-12-01 | 734 | 悪事を働いた3人が逃げ込んだ古い家。そこはかつて悩み相談を請け負っていた雑貨店だった。廃業しているはずの店内に、突然シャッターの郵便口から悩み相談の手紙が落ちてきた。時空を超えて過去から投函されたのか?3人は戸惑いながらも当時の店主・浪矢雄治に代わって返事を書くが…。次第に明らかになる雑貨店の秘密と、ある児童養護施設との関係。悩める人々を救ってきた雑貨店は、最後に再び奇蹟を起こせるか!? |
名もなき毒 | 宮部みゆき | 文藝春秋社 | 2012-02-08 | 890 | 今多コンツェルン広報室に雇われたアルバイトの原田いずみは、質の悪いトラブルメーカーだった。解雇された彼女の連絡窓口となった杉村三郎は、経歴詐称とクレーマーぶりに振り回される。折しも街では無差別と思しき連続毒殺事件が注目を集めていた。人の心の陥穽を圧倒的な筆致で描く吉川英治文学賞受賞作。 |
平城山(ならやま)を越えた女 | 内田康夫 | 講談社 | 2010-06-06 | 620 | 傷心を抱いて京都・大覚寺を訪れた美術書編集者の美果──。その前に娘の行方を尋ねる男があらわれ、数日後、美果は若い女性の他殺体が奈良ホトケ谷で発見されたことを知る。古都を舞台にくりひろげる浅見光彦と美果の推理行。やがて行方不明の新薬師寺秘仏をめぐり彼らと意外な関連性が浮上するが……。 |
南極風 | 笹本稜平 | 祥伝社 | 2015-08-14 | 853 | ニュージーランドの名峰アスパイアリングで起きた遭難事故が、森尾正樹を奈落の底に突き落とした。登山ガイドの彼は悪天候のなか瀕死のツアー客を救出し一躍英雄となるが、突如、保険金殺人の容疑で逮捕されたのだ。冤罪を主張するも検察の取り調べはあまりに作為的で―眺望絶佳な山の表情と圧巻の雪山行、そして決して諦めない男の法廷対決を描く愛と奇跡の感動作。 |
南総里見八犬伝〈第1〉妖刀村雨丸 | 滝沢馬琴 (著) 浜たかや (著) 山本タカト | 偕成社 | 2010-06-12 | 1470 | 妖婦玉梓に呪われた里見家。その娘伏姫の霊が八つの珠となり、八人の犬士が生まれる。波瀾万丈のストーリーで、八犬士の友情の絆を描いたおなじみの物語。ルビと絵入り。 |
南総里見八犬伝〈2〉五犬士走る | 滝沢馬琴 (著) 浜たかや (著) 山本タカト | 偕成社 | 2010-06-12 | 1470 | 伏姫のいいなずけ大輔は僧となり、散った八つの珠を探す。波乱万丈のストーリーで、八犬士の友情の絆を描いたおなじみの物語。ルビと絵入り。 |
南総里見八犬伝〈3〉妖婦三人 | 滝沢馬琴 (著) 浜たかや (著) 山本タカト | 偕成社 | 2010-06-12 | 1470 | 運命の糸で結ばれれた八人の犬士たちが、妖婦玉梓の呪いをうちくだく! 波瀾万丈のストーリーで、八犬士の友情の絆を描いたおなじみの物語。ルビと絵入り。 |
南総里見八犬伝〈4〉八百比丘尼 | 滝沢馬琴 (著) 浜たかや (著) 山本タカト | 偕成社 | 2010-06-12 | 1470 | 八百比丘尼となった玉梓の霊に八犬士が勝利して、物語は大団円を迎える。波乱万丈のストーリーで、八犬士の友情の絆を描いたおなじみの物語。ルビと絵入り。 |
贄門島−上− | 内田康夫 | 文藝春秋社 | 2010-06-06 | 590 | 21年前、ボートの操舵ミスで房総の海に投げ出された浅見光彦の父は、美瀬島の漁船に助けられるが、生死の境をさまよう床の中で奇妙な声を聞いた。「こんなにつづけて何人も送ることはない」「そうだな、来年に回すか」。父は、その翌年亡くなった。父の死の謎を解くべく島を訪れた浅見の前で、知人の水死体が相次いで発見される…。 |
贄門島−下− | 内田康夫 | 文藝春秋社 | 2010-06-06 | 590 | 浅見光彦が美瀬島で出会った天羽紗枝子は、謎のメッセージを残して消えた恩師・石橋洋子の行方を探していた。手がかりを求め洋子のルーツを辿るうち、水死体のひとつが発見された小田原と美瀬島がつながり、さらに不審船と北朝鮮との関係も浮上する。島の秘密に肉迫する浅見は、生きて島を出られるか。著者自作解説つき。 |
にぎやかな未来 | 筒井康隆 | 角川書店 | 2010-06-29 | 狂気じみたにぎやかな未来への警告を軽妙なタッチで笑いの中に描く短篇傑作集。 | |
虹を操る少年 | 東野圭吾 | 講談社 | 2010-06-08 | 650 | 「光にメロディがあるの?」「あるさ。みんな、そのことに気づいていないだけさ」。“光”を“演奏”することでメッセージを発信する天才高校生・光瑠。彼の「光楽」に、感応し集う若者たち。しかし、その力の大きさを知った大人たちの魔の手が忍び寄る。新次元コミュニケーションをめぐる傑作長編ミステリ。 |
日輪の遺産 | 浅田次郎 | 講談社 | 2011-09-02 | 760 | 終戦直前、帝国陸軍がマッカーサーから奪った時価二百兆円に上る財宝が極秘裏に隠匿された。それは、日本が敗戦から立ちあがるための資金となるはずだった。そして五十年後、一人の老人が遺した手帳がその真相を明らかにしようとしていた―。終戦時の勤労動員の女生徒たち、密命を帯びた軍人など、財宝に関わり、それを守るために生き、死んでいった人々の姿を描いた力作。心地よい感動があなたを包む。 |
日蓮 | 山岡荘八 | 講談社 | 2010-06-27 | 882 | 立正安国は法華経にあり!南無妙法蓮華経!捧げるは男の情熱。信ずるはその一念?安房国の小湊の漁家に生を享けた善日丸は幼くして清澄山に入った。以来、救国の道を求めて懸命に切磋琢磨、勉学に励む。だが時の政権も民衆もいっかな眼を開こうとしない…迫害を超えて、信念を貫く炎の聖者の半生。 |
日蓮伝説殺人事件−上− | 内田康夫 | 角川書店 | 2010-06-06 | 504 | 株式会社ユーキの宝石鑑定士・伊藤木綿子のところへ専属デザイナー・白木美奈子が相談を持ちかけてきた。彼女がデザインした宝飾品に粗悪な石が混在していたらしい。しかも美奈子は木綿子の恋人塩野満の素姓まで訊ねてきた。塩野と美奈子の関係は。木綿子の胸に一抹の不安が…。数日後、美奈子が死体となって発見され、塩野も事件発生の翌日、木綿子に連絡を残して、消息を絶った。日蓮聖人のルポを依頼され、山梨県を訪れていた浅見光彦はこの怪事件に深く関わることに?。 |
日蓮伝説殺人事件−下− | 内田康夫 | 角川書店 | 2010-06-06 | 504 | 「日蓮の生まれ給いしこの御堂」木綿子の恋人塩野が残した謎の伝言。真相を追って浅見光彦は聖人ゆかりの地を訪れるが、重要な手がかりは得られない。ところが、その浅見に怪しげな人物がつきまとい、さらに木綿子の父親も「イトウのお寺には行ったのか」という言葉を遺して、突然の死を遂げた。果して犯人の目的は、消息を絶った塩野の行方は。そして日蓮聖人生誕に隠された秘密とは。名探偵浅見光彦さえも窮地に追いこむ驚愕の真相。伝説シリーズ超大作、待望の文庫化。 |
日光殺人事件 | 内田康夫 | 角川書店 | 2010-06-06 | 540 | 東照宮ゆかりの天海僧正は明智光秀だった?しかも日光に近い大牧場主の智秋家は明智家と関係が?「旅と歴史」の取材で日光を訪れた浅見光彦は、華厳の滝で飛び込み自殺に遭遇する。だが、崖下からはもう一体、智秋家の次男・次郎の白骨死体が発見された。彼は「日光で面白いものを発見した」という言葉を残して二年前に失踪していたのだ。資産家一族の中にありながら、短歌と馬を愛する自然児だった次郎。そんな叔父を慕う智秋家の令嬢朝子の依頼で、浅見は「日光」の謎に挑むが。長編ミステリー。 |
二度のお別れ | 黒川博行 | 角川書店 | 2017-12-21 | 562 | 三協銀行新大阪支店で強盗事件が発生。犯人は現金約400万円を奪い、客のひとりを拳銃で撃って人質として連れ去った。大阪府警捜査一課が緊急捜査を開始するや否や、身代金1億円を要求する脅迫状が届く。「オレワイマオコツテマス――」。脅迫状には切断された指が同封されていた。刑事の黒田は、相棒の“マメちゃん”こと亀田刑事とともに、知能犯との駆け引きに挑む。『破門』の直木賞作家のデビュー作にして圧巻の警察ミステリ。 |
人魚の眠る家 | 東野圭吾 | 幻冬舎 | 2018-08-03 | 788 | 「娘の小学校受験が終わったら離婚する」。そう約束していた播磨和昌と薫子に突然の悲報が届く。娘がプールで溺れた―。病院で彼等を待っていたのは、“おそらく脳死”という残酷な現実。一旦は受け入れた二人だったが、娘との別れの直前に翻意。医師も驚く方法で娘との生活を続けることを決意する。狂気とも言える薫子の愛に周囲は翻弄されていく。 |
人間の証明 | 森村誠一 | 角川書店 | 2010-06-29 | 700 | 「母さん、僕のあの帽子、どうしたでせうね?」西条八十の詩集をタクシーに忘れた黒人が、ナイフで刺され、ホテルの最上階に向かうエレベーターの中で死亡 した。棟居刑事は被害者の過去を追って、霧積温泉から富山県へと向かい、ニューヨークでは被害者の父の過去をつきとめる。日米共同の捜査の中であがった意 外な容疑者とは…!?映画化、ドラマ化され、大反響を呼んだ、森村誠一の代表作。 |
猫弁 天才百瀬とやっかいな依頼人たち | 大山淳子 | 講談社 | 2014-07-19 | 679 | お見合い30連敗。冴えない容貌。でも天才。婚活中の弁護士・百瀬太郎は猫いっぱいの事務所で人と猫の幸せを考えている。そこに舞い込むさらなる難題。「霊柩車が盗まれたので取り戻してほしい」。笑いあり涙ありのハートフル・ミステリー、堂々誕生! 満場一致で第一位、TBS・講談社ドラマ原作大賞受賞作。 |
眠りの森 | 東野圭吾 | 講談社 | 2010-06-08 | 580 | 美貌のバレリーナが男を殺したのは、ほんとうに正当防衛だったのか?完璧な踊りを求めて一途にけいこに励む高柳バレエ団のプリマたち。美女たちの世界に迷い込んだ男は死体になっていた。若き敏腕刑事・加賀恭一郎は浅岡未緒に魅かれ、事件の真相に肉迫する。華やかな舞台の裏の哀しいダンサーの悲恋物語 |
ネメシスの使者 | 中山七里 | 文藝春秋社 | 2023-03-25 | 770 | 死刑判決を免れた殺人犯たちの家族が、次々に殺される事件が起きた―。現場に残されていたのは、ギリシア神話に登場する「義憤」の女神を意味する「ネメシス」という血文字。事件は遺族による加害者家族への復讐か、それとも司法に対する挑戦か?司法システムと死刑制度を正面から取り上げた社会派ミステリ。 |
農ガール、農ライフ | 垣谷美雨 | 祥伝社 | 2019-09-24 | 745 | 水沢久美子は派遣切りに遭った日、同棲相手から突然「結婚したい人がいるから出ていってくれ」と告げられる。仕事も家も彼氏も失った三十二歳の春。失意のどん底にいたとき偶然目にした「農業女子特集」というTV番組に釘付けになる。「農業だ!」運命を感じた久美子は早速、田舎に引っ越し農業大学へ入学することを決意。明るい農村ライフが待っていると信じていたが…!? |
農協月へ行く | 筒井康隆 | 角川書店 | 2010-06-29 | ||
能面検事 | 中山七里 | 光文社 | 2021-09-13 | 715 | 大阪地検一級検事の不破俊太郎はどんな圧力にも屈せず、微塵も表情を変えないことから、陰で〈能面〉と呼ばれている。新米事務官の総領美晴と西成ストーカー殺人事件の調べを進めるなかで、容疑者のアリバイを証明し、捜査資料が一部なくなっていることに気付いた。これが大阪府警を揺るがす一大スキャンダルに発展して――。一気読み必至の検察ミステリー! |
ノースライト | 横山秀夫 | 新潮社 | 2021-12-05 | 935 | 無人のY邸に、なぜ「タウトの椅子」が残されていたのか? そして、仲睦まじそうに見えた一家は一体どこへ? 感動を超えた人間ドラマがここにある。 北からの光線が射しこむ信濃追分のY邸。建築士・青瀬稔の最高傑作である。通じぬ電話に不審を抱き、この邸宅を訪れた青瀬は衝撃を受けた。引き渡し以降、ただの一度も住まれた形跡がないのだ。消息を絶った施主吉野の痕跡を追ううちに、日本を愛したドイツ人建築家ブルーノ・タウトの存在が浮かび上がってくる。ぶつかりあう魂。ふたつの悲劇。過去からの呼び声。横山秀夫作品史上、最も美しい謎。 |
ノーマンズランド 警部補 姫川玲子 | 誉田哲也 | 光文社 | 2020-12-13 | 858 | 東京葛飾区のマンションで、女子大生が殺害された。特捜本部入りした姫川玲子班だが、容疑者として浮上した男は、すでに別件で逮捕されていた。情報は不自然なほどに遮断され、捜査はいきづまってしまう。事件の背後にいったい何があるのか? そして20年前の少女失踪事件との関りは? すべてが結びつくとき、玲子は幾重にも隠蔽された驚くべき真相に気づく! |
のぼうの城(上) | 和田竜 | 小学館 | 2011-06-21 | 480 | 戦国期、天下統一を目前に控えた豊臣秀吉は関東の雄・北条家に大軍を投じた。そのなかに支城、武州・忍城があった。周囲を湖で取り囲まれた「浮城」の異名を持つ難攻不落の城である。秀吉方約二万の大軍を指揮した石田三成の軍勢に対して、その数、僅か五百。城代・成田長親は、領民たちに木偶の坊から取った「のぼう様」などと呼ばれても泰然としている御仁。武・智・仁で統率する、従来の武将とはおよそ異なるが、なぜか領民の人心を掌握していた。従来の武将とは異なる新しい英傑像を提示した四十万部突破、本屋大賞二位の戦国エンターテインメント小説。 |
のぼうの城(下) | 和田竜 | 小学館 | 2011-06-21 | 480 | 「戦いまする」三成軍使者・長束正家の度重なる愚弄に対し、予定していた和睦の姿勢を翻した「のぼう様」こと成田長親は、正木丹波、柴崎和泉、酒巻靱負ら癖のある家臣らの強い支持を得て、忍城軍総大将としてついに立ちあがる。「これよ、これ。儂が求めていたものは」一方、秀吉に全権を託された忍城攻城軍総大将・石田三成の表情は明るかった。我が意を得たり、とばかりに忍城各門に向け、数の上で圧倒的に有利な兵を配備した。後に「三成の忍城水攻め」として戦国史に記される壮絶な戦いが、ついに幕を開ける。 |
ノワール-硝子の太陽 | 誉田哲也 | 中央公論社 | 2019-04-11 | 821 | 〈ジウ〉サーガ×姫川玲子 誉田哲也の二大人気シリーズが、衝撃のコラボレーション、待望の文庫化! 沖縄での活動家死亡事故を機に「反米軍基地」デモが全国で激化した2月、新宿署の東弘樹警部補は、「左翼の親玉」を取調べることに。その直後、異様な覆面集団による滅多刺し事件が起こる。被害者は歌舞伎町セブンにとってかけがえのない男――社会に蔓延る悪意の連鎖を断ち切るべく、東とセブンの共闘が始まる! 『硝子の太陽N ノワール』を改題。掌篇小説「歌舞伎町の女王?再会?」を収録。 |